白組の敏腕プロデューサー!?の井上浩正と申します
みなさん、はじめまして。
白組の敏腕プロデューサー!?の井上浩正と申します!
それでは、皆様にムービーの制作秘話!?をお届けします。
●「ペトロフ風に!」
昔々のその昔、木村さんから電話がありました。
「今度、ゲーム作るから井上さんムービーお願い。ペトロフ風で!」
アレクサンドル・ペトロフとはロシアのアニメーション作家で
最近日本人も受賞したアカデミー短編アニメを受賞したこともあります。
ガラスに油絵具で一枚一枚絵を描いてアニメーションさせるのが特徴です。
さすがにガラスに絵を描くと大変なのでCGを使って
手書き風を目指しました。
白組は超リアルなCGムービーを得意とする印象がありますが
「うっかりペネロペ」という作品に代表される、ほのぼのとした
手書き風CGアニメーションも手掛けています。
そこで、スタッフにお願いし、
主人公のコロボちゃんを使ってテスト映像を作ったんですね。
それが、このひとコマ。

これを見た木村さんは、可能性を感じてくれました。
正式にGOサインが出たわけです。
●チューチューコンビナート
チューチューコンビナートというのは絵コンテの会社です。
絵コンテというのは、シナリオからイメージをふくらまし、
物語の流れを絵にする作業です。
いわば、ムービーの設計図ですが、奥山さんという絵コンテライターさんは
木村さんのファンだったので、息もぴったりです。
面白くて、作るのがチョー大変な絵コンテが完成しました(苦笑
初公開!これが、奥山さんの絵コンテの一部!

●スタッフは、ほとんどが女子!
とくに、意識したわけではないのですが
今回の作品にふさわしいスタッフを集めると、
なぜか、ムービー監督の牧野さん含め、
ほとんどが女子でした。
おかげさまで、画面にちりばめられた
可愛いニュアンスや、小物達のセンスは
女の子らしい、可愛いものに仕上がりました。
スタッフのみんなありがとう!
(男子スタッフのみんなもありがとう)
●手書きアニメーション
今回は、絵本タッチのムービーだったので
従来の3DCGに混ざって、手描きアニメも登場します。
特に必見は、牧野ディレクター自ら手掛けたハウザーのシーン。
せっかくなので、完成一歩手前の、
牧野直筆の原画をご覧にいれましょう!

●出崎カット
アニメーション監督で出崎統という方がおられます。
「あしたのジョー」や「ガンバ」が代表作です。
出崎監督の演出の手法で、
画面が突然、劇画調の静止画になるというのがあります。
今回の王様ムービーで木村さんがこの手法をやりたいというので
「出崎カット」と勝手に呼んで作っていました。
いろんなところでやる予定だったのですが
結局、この手法を使ったのは2カットだけになり
そのうちの1カットは、ゲームとのつながりで、無くなってしまいました。。
そこで、今回は特別に幻の「出崎カット」をご紹介!

ちなみに、この手法、アニメの専門用語では
「ハーモニー」と言うそうです。
●実写映像を使用!
今回の王様ムービーは全編絵本タッチなのですが、
実を言うと、実写映像も使われているのです!
出演者はもちろんボランティアです!
しかも外人の方!
いろいろ撮影しましたね。
野球選手とか、西部劇のガンマンとか…
白組の会議室にグリーンの大きな布を張ってその前で演技をします。
背景はグリーンなのですが
その部分には、あとで撮影した風景を合成するのです。
そうやって完成した実写映像がこれ!

こんな映像、ムービーのどこに出てくるのでしょう??
それは、ゲームをプレイしてからのお楽しみ!!!
●あきらめない人、木村祥朗
モノつくりというのは、どこかで時間とお金が
尽きてしまいます。
でも、時間にもお金にも変えられないものがあります。
それは、アイディアです。
木村さんとのムービーの打ち合わせの時も、
ただ、大変だから、量を減らそうとか、
そういう話は、しないんです。
量を減らすなら、その代わりに、
好いアイディアで減った分をカバーしようとします。
姫を紹介するムービーも、作業量的に間に合わないから
全部なくそうという話を、僕はしました。
さすがに、なくすのは不可能だと木村さん。
井上「やったとしても、静止画でやるしかないですね」
木村「静止画、何枚使えるの?」
井上「1キャラにつき、5枚です」
木村「じゃぁ、その5枚で、アイディアを考える!」
木村さんとトムさんでアイディアを練り始めました。
結果、姫の紹介ムービーは、
ただの静止画ムービーではなくなったのです。
もちろん、作るのは大変な作業です。
でも、大変でも、完成度が高くて
多くの人が評価してくれることが
作り手にとっては、何よりのご褒美です。
「王様物語(Little King's Story)」は、まず発売された欧州で
好い評価を頂いているようです。
こんなにすばらしいことはありません。
大変な思いをしたスタッフは、
みんな、ゲームの発売を待ち望んでいます。
最後に、この場を借りて、ゲームに携わったすべての人に一言だけ。
本当にお疲れさまでした!!

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