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太田基裕くんを振り返って

こんにちは、ヨシPです。

振り返りシリーズ、3人目はもっくんです。

僕ともっくんとが一緒の作品にかかわるのは、この『メモ・リアル』で3作目。
毎回彼が苦労する姿を見てきました(笑)。

あえて、歯にもの着せずいうと、本当に不器用の塊のような男です、もっくんは。
更に、めっちゃネガティブ(笑)!
それなのに、いつ会っても笑顔のもっくんに、いつも関心してしまいます。

そんなもっくんと言えば、もう『メモ・リアル』ファンなら誰もが知っている“SAXの音でない事件”。
実はちょっと僕にも責任があるんです。
ソロ演目を決めるときにいろいろ話が出た際に、
僕は「SAXはリコーダーと基本はいっしょだから大丈夫だよ」と
軽々しく言ってしまってたんです。
僕は学生時代にSAXをかじっており、それほど苦労した覚えがなかったんでつい・・・。
(所詮、素人レベルでしたからね・・・スンマソン)

もっくんはひたすらがんばりました。
音楽の神様に見捨てられたと思いつつも、必死に練習を重ねました。
僕らが知らないところでもかなりスタジオに入ってたようです。

そして年末の集中稽古のときに僕らは耳を疑いました。
そのきれいな音と、まったく外れない音程!
僕とキャビィは本当に涙を浮かべながら感動してしまいました。
もっくんは本当にがんばってやりぬいたんです。

と、感動もひとしお。
年明けの稽古では、なんと音が飛んでしまう。
“なぜ?”僕らも、もっくんも理由がわからない。。。
先生に見てもらいましたが、日のない練習で急激に成長したから、
妙な癖が付いたのかも・・・と。
これには僕らも参りました。
確かに企画として無理があることは承知してました。
しかし、ここまでシビアに出てくると、企画した張本人として、
もっくんに申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

それでももっくんは、ひたすらに頑張って毎公演を乗り切りました。
特に16日の昼公演は、楽屋にいてもピリピリするほどの集中力で
吹いたため、NOミスで演奏を終えました。
他の公演ではミスはありましたが、
毎公演開場前は、誰よりも最後まで音を出していたんです。

みなさんが入る本当に直前まで、ステージに、客席にロビーに、
もっくんがいて音を出していました(涙)。

大阪の朝も同じようにロビーでもっくんが音を出していました。
伴奏のない無音のロビーで、もっくんのSAXだけが響き渡っていました。
「いい音だな・・・」と、何気なく思った自分に気がついて驚きました。
そうか!いい音なんじゃん!
そのまま、音楽のプロデューサーも呼んできて、もっくんに
アカペラの提案をしました。
サウンドチェックのときにみんなに内緒でチャレンジしてみたら、
会場のスタッフや他のキャストがざわっとし、これはやろうよ!ということになりました。
伴奏をなくすタイミングなどを何度も試して、一番もっくんが緊張しないで吹けるタイミングにしました。
それでも、本番前に舞台袖で、もっくんが震えていたのを覚えています。

結果的にやりとげてしまったもっくん。
冒頭に言った不器用とネガティブというのは、きっと、みなさんの前に立ち、
みなさんの応援に応えたいという気持ちが人一倍大きいからなんでしょうね。

これからも、何度も壁にぶつかっていくでしょうが、
持ち前のネガティブで、更に大きく成長していくもっくんを
ずっと応援してあげてください。