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赤川次郎スペシャル対談-2

【赤川次郎ミステリー 夜想曲 —本に招かれた殺人—】
祝・発売記念!
赤川次郎(原作・監修)×金沢十三男(本作エグゼクティブプロデュサー)
スペシャルロング対談

【第2回目】
赤川次郎氏ゲーム化についてのコメント!
発売日の裏話も!?

 ——ご自身の原作がゲーム化されることについて、どうお考えでしょうか。

赤川 一気に最後まで読んでしまって「ああ面白かった」というのとはまたちょっと違うと思うんですね。このゲームはとても一日では終わらないだろうと思いますし。
そういった点では何日もかけて長い旅をするような感覚で楽しめると思います。今日は何があるのかなと、その日その日に何に出くわすかという楽しみ方ができるところがゲームの面白さなんだろうなと思います。
あとはキャラクターでしょうか。とても原作のキャラクターを大事にしてくださっているので、どういう形でキャラクターが扱われているかというのを、できれば原作と読み比べて楽しんでいただきたいなと思いますね。

 ——PS版では固定ファンも若い方中心でしたけれども、今回DS版になることで、今回新たに買って頂いた方たちにはこういう層に遊んでほしい、というのはありますか?

赤川 どんな方でも遊べるものだと思いますが、30年作家をやっていると、デビューした最初の頃のファンの方、当時高校生や大学生だったファンの方というのは今はお母さんになっていらっしゃって、「現在子供が先生の本を読んでいます」とか「お母さんが買って並べておいた僕の本を娘が読んでいます」とかそういうお便りをいただいたりしますね。それがとても作者、作家にとってうれしいことで、2世代にわたって読んでくださっている。これがもっと3世代にまで広がってくれればいいなと思います。そういうきっかけとしても、ゲームというのが2つの世代の橋渡しみたいになれば楽しいかなというのはありますね。



金沢 赤川さんもおっしゃってましたが、本当に誰に遊んでもらってもいいと思うんです。以前4-5年位前にお会いしたときに、赤川さんが世間の活字離れをちょっと心配されていたんですね。僕はそんな崇高なものを作っているわけではないですけれど、ゲームという媒体であっても、物語を読むという楽しさに触れてくれたのであれば、今度は本屋に行って文庫を手に取ってみよう、という流れが作れればいいなというのはちょっと思いますけど。

 ——これから『夜想曲』のDS版で遊ばれる方に向けて一言ずつメッセージをお願いいたします。

赤川 ぜひ僕の世界で遊んでいただきたい、そして僕の世界がどういう風にゲームになっているかというのを楽しみにしていただきたいなと思います。

金沢 DSは持った感覚が文庫本に近いので、非常にDSに合ったゲームソフトだと思います。今DSであまりこういうゲームソフトがないと思うので、ぜひこれをきっかけに遊んでいただきたいです。小説の世界を冒険していく様な感覚で遊んでいただけると面白いかなと思います。



 ——ありがとうございます。2月28日にゲームが発売されるんですけども、その翌日が先生の誕生日ということで、何か運命めいたものを感じられますか?

金沢 発売日を決めた中野(DS版プロデューサー)にそれを伝えたら、彼はそのことを全く知らなかったんですよ。



赤川 そうなんですか。僕の誕生日は4年に1回しか来ないものですから、誕生日に向けて新しいものが出るというのがとてもうれしいですね。いつも誕生日に何のプレゼントももらわないので、これをプレゼントだと思っていただくことにいたします。(笑)娘と二日間しか誕生日が違わないので。

金沢 そうなんですか。

赤川 娘3月2日なんですよ。

金沢 間にじゃあ……

赤川 2日しかないので、誕生日のお祝と言ってもいつも僕と娘はまとめられちゃうけれども、プレゼントを貰うのは娘だけです。僕の自分の誕生日はたいてい無視されておしまいですから(笑)。