電脳オタクプロレスラー菊タローのエルダールその日暮らし日記 | 卯月鮎のエルダール探索録

卯月鮎のエルダール探索録

第6回 華麗なる転職、魔法の道に進むギネヴィア

ついに育成方針が決定!
■可能性というステータスポイント

 3体のボスを倒しはしたが、あまりにもヨレヨレでみっともない内容。しかし、これには訳がある。

 実は、最終的な育成の方針を決めかねて、レベルアップのたびにもらえるステータスポイントを貯めに貯め込んでいたのだ。

 まさに預金通帳を見てニヤニヤする節約マニア状態。でも、さすがにそろそろ使いどきだろう。考えるに、将来像は3つある。

■目指すべきバトルスタイルは?

 まずパターン1。当初のもくろみ通り、シーフ系の職業を極めて盗みながら生きていく。 そして武器はもちろん弓! ……本来はこれが一番やりたいのだが、実は弓の操作が結構難しい。 何度か試してみたが、思うように当たらない。今の腕前で弓にすべてを捧げてしまうのはリスキーかな、と。

 パターン2。ファイターやナイトになって自分で攻撃を仕掛け、積極的に戦っていく……。 これは十分アリだと思う。いつもカシアスの日陰者ではつまらない。たまには自分だって! と、拳を握りしめる。

 ただ、ネックなのは普通すぎる点。私自身ひねくれ者なので、なんか当たり前なのが引っかかる。 牛丼屋に行っても思わず「クリームシチュー牛丼」と注文して、友人に「えっ……」と絶句されるタイプ。正攻法で戦ってもねぇ。

 最後は魔法を極めるパターン。 今でもちょくちょくファイアを使ったり、カッシーを回復させたりと、魔法は重宝している。 何しろ魔法も弓と同じ飛び道具……と言えなくもない。

 でも、これにも欠点がある。それは自分がハーフドワーフなこと。 せっかく母がドワーフなのに、その子が魔法使いってどうなの?  “ドワーフの血を引く魔法使い”、正直ファンタジー界では空前絶後……。アキレウスに古文書係を命じるのに近いか。

■ハーフドワーフの魔法キャラ

魔法系に決定するまで、どの職業にするか一晩悩んだ。ポイントも貯まりまくっている


魔法攻撃力を重視してこんな服装。服と袖が別装備なので組み合わせによって雰囲気も変わる!

 悩んだものの固定イメージを払拭して、魔法大作戦に決定!  その後もレベル上げを敢行し、貯まった100以上のステータスポイントを一気にINT(知力)に投入した。 みるみる上がる能力値。未来の食パンには教科書のページを暗記できる機能があるというが、それを口に詰め込んだ気分だ。

 ついにインテリなハーフドワーフ・ギネヴィアが誕生した。 魔法も火・氷・風の3属性はもちろん、無属性の「レイ」も覚えてどんな敵でも対応可能。魔をもって魔を制す!

お互いの部屋がエルダールへの入り口
■Wi-Fi協力プレイをリポート

 さて、ここからは前回お約束した協力プレイの模様をお伝えする。 フレンドコードを交換する方式で、無料なのがうれしいところ。今回は、本公式サイトのブログでもおなじみ、宣伝担当のタキタさんとタッグを組む。

 まあ、私の職業がメイジなので、敵に向かって勇敢に切り込んでいくタキタさんを後ろから魔法で援護する、ってな感じになるだろう。

■新コンビ誕生、ヘンリー&ギネヴィア

作ったルームにヘンリーを招いてクエストを受注。息の合ったプレイですんなりクリアしたいが……

 で、現れたタキタさんの分身はスポーティないでたちの男性キャラ・ヘンリー。 男女のキャラが並ぶとまるでカップルのようだ。デートに向かう先は命がけのサファリパークだが……。

 すると電話がかかってきた。

タキ:クエストはどれをやりますか?
卯月:せっかくだから星5つの「黒い災害」をやりましょう!
タキ:いいですね。敵もデカいんで倒しがいがあるんですよ。

 なんだか海外旅行の前夜みたいに興奮してきた。ワクワクする。……で、始めようと思ったら衝撃の事実が明らかに!

タキ:ところで卯月さんの職業は何ですか?
卯月:私はメイジにしてます。
タキ:僕もですよ!
卯月:(ダメじゃん!!)

 あちゃー、やってしまった。“かぶりすぎ”でおなじみの『指輪物語』、メリー&ピピンもビックリだ。

強大な敵になすすべなく敗れるのか?

黒竜ティールは体の割に俊敏でしかも固い!! MP回復アイテムをしっかり用意して挑もう

■興奮と白熱の市街戦

 メイジ&メイジの異色コンビでクエストスタート。 目の前に現れたのは、漆黒の巨大ドラゴンだった!  カメラのアングルを変え、いつもと違う角度から見上げると刺激的。 2章の冒頭もドラゴンと戦ったが、それよりも遥かにデカい。それが破壊された街で暴れ回っているのだからテンション上がる。

 まずは、小手試しと杖でポカッと殴るがダメージは「1」。 次の瞬間、頭突きを喰らって吹っ飛ばされた。間髪入れず炎のブレス攻撃が! 危ない、ギリギリ左にかわす。

■魔法で必死に対抗するが……

こちらのHPが少ないことを察知して、回復魔法をかけてくれた。NPCの傭兵では味わえない心遣い

 やはり魔法がギネヴィアの生きる道。アイスをかけるもダメージは「13」。 少ない。それでも殴るよりはマシとひたすらアイスを唱えまくる。しかしドラゴンは、飛ぶわ、しっぽを振り回すわで、狙いをつけるのも難しい。

 魔法に夢中になっていて、気づくともうHPが80しかない?  「えっ、マズい、早く回復しなきゃ」とあわてた矢先、地面がパッと明るくなった。 なんとヘンリーが回復魔法でサポートしてくれたのだ。ナイス! 心が通じた気がした。

さっそく定型チャットで「ありがとう」としゃべろうとするも、押したボタンは「お疲れ様でした」。 痛恨のミス。回復してもらったのに「お疲れ〜」はないだろう。

■見えてきた希望、そして……

 クエストクリアまでの制限時間は45分。すでに25分経過するも、ドラゴンは健在。 心が折れそうになったとき閃いた。スキル「アナリシス」を使えば敵の残りHPがわかるのでは?  0だったスキルレベルをあわてて1にして詠唱。するとHPは残り98! もうすぐじゃないですか!!

 ラストスパートと奮起し、弱い魔法を叩き込む。
「これでとどめだ、アイス13!」
 ……やった。ついに誰もが恐れる凶悪ドラゴン・ティールを倒したのだ。大きな達成感。 そしてタキタさんとも同志になれた気がする。 プレイ後、電話で「やり込むと新しいクエストが出るんですよ」「いいですね! またやりましょう」と盛り上がった。次はお互い違う職業で会いたい。

 来週はいよいよ最終回。ギネヴィア涙の……乞うご期待。

卯月鮎(うづき・あゆ)

ゲームコラムニスト・書評家。週刊誌やゲーム専門誌で活躍中。
著書に、中学生にファミコンを遊ばせる『はじめてのファミコンなつかしゲーム子ども実験室』(マイクロマガジン社刊)がある。
また、海外ファンタジー小説の解説も手がける。