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1967年に西ドイツのバイエルン州ローゼンハイム市で起きたポルターガイスト事件は、いまだに合理的な説明のつかない不思議なものである。 事件は1967年の夏、ジグムント・アダムという弁護士の事務所で始まった。
最初は、単なる電話機の異常と思われた。電話に雑音が入ったり、通話中突然切れたり、回線がつながっていないはずの電話機が何台か、いっせいに鳴り出したりした。事務所は電話機の会社に連絡をとったが、何も異常は発見されなかった。

そこで事務所は、ドイツの郵便局に依頼し、電話機を郵便局で使用している機種に付けかえ、通話を記録する機械も一緒にとりつけた。その結果、誰も電話を使っていないのにこの機械に通話が記録されるという現象が判明した。あらためて通話記録を確認すると、信じられないほど頻繁に時刻案内に通話していることになっていた。

その後事態は一層エスカレートし、事務所の蛍光灯が誰も手を触れないのに外れたり、電機のヒューズがとんだりしはじめた。しかたなく事務所内の蛍光灯をすべて電球にとりかえると、今度は電球が爆発し始めた。さらに、壁の絵が落ちたり、180キロもあるキャビネがひとりでに動いたりした。そしてこれらの現象が、ある女性職員の勤務中にのみ発生することも明らかになった。事務所がこの女性を解雇したところ、数々の怪現象はぴたりと納まった。

ポルターガイストについては、古くから霊が引き起こすものと信じられてきたが、最近では、事件の当事者が無意識に発揮するサイコキネシス(PK)が原因という説も唱えられている。ローゼンハイム事件でも、問題の女性が、本人も気づかないうちにPKを用いていたとも考えられる。 ローゼンハイム事件を調査したフライブルク大学の超心理学者ハンス・ベンダーは、事件後この女性を実験室に招き、そのPK能力をテストしてみた。しかし、彼女がPK能力を持つことを示す結果は得られなかった。ただ、彼女のESP能力をテストしてみると、強いストレス下に置かれた場合瞬間的に高い値を示すことがあったという。

参考:コリン・ウイルソン監修『超常現象の謎に挑む』教育社
    アーサー・C・クラーク『超常現象の謎を解く』リム出版

http://de.wikipedia.org/wiki/Rosenheim-Spuk
    
    

羽仁 礼 PROFILE

島根大学卒業。少年時より超能力や死後の世界などの不思議な現象全般に関心を持ち、 長じては世界を放浪して数々のミステリー・スポットを実際に踏破。 現地調査に基づいた独自の研究を続けている。 著書に「超常現象大辞典」(成甲書房)、「図解近代魔術」(新紀元社)ほか。   



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(C)小野不由美・いなだ詩穂・講談社/「ゴーストハント」製作委員会