クローズアップ
インタビュー森山栄治編
森山栄治 ——それではまず、前回のルドルフ公演の感想から。

ダンクスマッシュが多かった!
本番で2〜3回飛ぶんですけど、東京公演ではセリから飛び降りるので、本番前に3回くらいは練習しておかないといけないんですよ。だから1ステージ当たりだと5〜6回、2ステージだと1日10回くらい飛ばないといけない(笑)
神戸公演もネットを飛び越えなきゃいけなかったし、海堂と桃城の喧嘩しながら歌うシーンもあるしで、体力的にもしんどかったですね。公演も28公演と今までにない長期戦だったし。
終わった時は、やりとげた!というのはやっぱりありましたね。長かった分、達成感はハンパじゃなかった。みんなも多分、体力的にしんどい部分あったと思うんですけど、お互い協力しあって、助けあって…という中での最終日は、やっぱりすごく満足したっていう感じですね。


——ルドルフメンバーとはいかがでしたか?


青木堅治と篠田光亮とは、よく一緒に"ノミュニケーション"出来て。ノミュニケーションって誰が言い出したのかなあ?(笑)でも飲みに行くのって、わりと大事なんですよね!いろいろと学ぶ事も多くて。
飲んでるときは、やっぱり芝居について語ってる事が多いんですけど、「ああした方がいいんじゃないか」とか、「こうしたらどうだとろう」とか…それでけっこうチームワークが生まれたりとか、考えてる事が分かったりだとかもするし。


——これまでのミュージカル『テニスの王子様』の公演で、いちばん印象に残っているシーンは?

やっぱり初演の、『俺は桃ちゃん』のシーンですね。
歌に入る前の決め台詞、「林も荒井も、かよわい新入生をカモっちゃいけねぇなあ、いけねぇよ!」っていう所から、もう気分は歌舞伎!(笑)気持ちいいんですよね。
やっぱり初演の時がいちばん苦労したなっていうのはありますね。ホントね、歌いながら踊るってこんなに難しい事だったんだ!っていうのが分かりましたから。
そういう術みたいなものは、あの桃ちゃんのシーンで学んだなあ、と思いますね。
あと、DVDを見てカッコいいな〜と思ったのは、初演の2幕の頭のシーン。緞帳がバーっと上がってきて、青学(せいがく)レギュラーのシルエットが現れて、部長が「♪強くなるのだ〜」…って、歌う前まで!前奏の部分(笑)あのみんなの立ち姿がカッコいいな〜って。ただ立ってるだけなんですけど、なんか絵になっている。これがテニプリなんだな、という感じがしましたね。


——いちばん印象に残っている出来事は?

アクシデント的なことなんですけど、自転車で落ちた事ですね。"不動峰"のシーンで、自転車に乗っているシーンがあるんですけど、けっこう急で狭い坂を下りなきゃいけなくて、ずっと慎重にやってたんですけど、慣れてきた頃に、ドテーン!と…。で、Kimeruと二人で「ちょっと急な坂だったな!」とか「危ないから気をつけような〜」とか、もう考えていう台詞じゃなくて、これがホントのアドリブなんだな!と(笑)もうドキドキでした!

——森山くんはテニミュでは、みんなを引っ張ってく"お父さん"的な役割でしたね。

そうですねえ…実は、僕も初演の時のノミュニケーションで、池田役の構井さんから、「栄治が青学(せいがく)の中ではいちばん年上なんだから、お前がしっかりしなきゃだめなんだぞ」という事を言われまして。
初演の時は、ジローさん、構井さん、正樹さん、かつおさんと、僕より年上の方がいらっしゃったんですよね。それで僕も、まだまだ年下気分で。「若手でーす!」という感じで、楽しく楽しく、いつまでも遊んでて怒られる、みたいな(笑)
でも、初演の稽古の終盤くらいの頃かな?みんなとも仲良くなりつつあって、部活感覚でダラダラしやすくなってきてた頃ですね、ちょうど飲みに行こうよという話になって。
で、その時構井さんに「お前は他の現場に行ったらいつもいちばん年下かもしれない。だけどテニミュでは、演出家やスタッフが注意するんじゃなく、役者の中で出来る事は、最年長のお前が仕切ってやらなきゃいけないぞ」という事を言われて。
で、そこからですね。それからガラっと意識が変わりました。最年長の自覚を持たなくちゃいけないなと。


——例えば、どんな風に注意したりするんですか?

そうですね〜、例えば、全体的に勢いがないなとか、全体的にノリが足りないなとか、そういうダメ出しの時は、全員が聞いてないと意味がないんですよ。でもみんな個々のことに夢中になってて聞いてない。そんな時に、「今みんなで聞くところだよ」って事を教えたりだとか…例えば、「今、桃城がダメ出しされてるけど、それはそのシーンに出てる人みんなの責任でもあるんだよ」という事だったり…
森山栄治

——イロハ的なことを。

そうですね。
それから、舞台って危険なものとか、触っちゃいけないものだとかが多いんですよ。そういう注意はちゃんと聞いておかないと、ホントに怪我するから、そういう事はけっこうマメに言いましたね。まあそれ以外のところでは好き放題やってもいいけど、そういう所だけは絶対守れよ!っていう。
" サス"と"ピン"ってあるじゃないですか。ピンは照明さんが横から追っかけて当ててくれるんですよ。でもサスは上から当たる照明だから、決まった位置に入らないと、照明が当たらないんです。でも、みんなピンで追ってくれてるもんだと思っちゃってる。だから、この位置から外れるとお前は真っ暗なんだよ、って教えて。「あ、そっか!そうなんだ!」みたいなね(笑)そんな感じでしたね〜。
でもルドルフの時は、草太や直也がそういう役割を買って出てくれて。俺はけっこう自分の事に専念出来たっていうか、自由にやれて、楽させてもらったかなって。で、逆に草太に怒られたりとかね(笑)


——テニプリメンバーへ何かひとこと、言うとすれば?

今回もう一度"不動峰"ですけど、新作のつもりでゼロから作り上げていく気持ちでやりたいですね。
Wリョーマというのも楽しみだし。リョーマの二人は、けっこう年が近いせいかもしれないけど、俺への接し方が似てるんですよね!二人とも"パパ"って呼ぶし。だから、柳のリョーマには、雄弥のリョーマには…って分けて考えなくても、俺は大丈夫かな!(笑)
まあ今回最後ですけど、いつもと同じ気持ちで、全力で頑張りたいですね。


——それでは最後に、HPをご覧になっている方にひとこと!

ついに卒業となりましたが。
でも今までと同じように、年末を楽しく過ごして、来年もテニプリで楽しく始まって…という感じになるといいなと。
年越しのいい思い出を作れるように、俺らも頑張りますんで、みんなも楽しみに待ってて下さい!
 © 許斐剛/集英社・NAS・テニスの王子様プロジェクト © 許斐剛/集英社・マーベラス音楽出版・ネルケプランニング
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