クローズアップ
不動峰編
荒木宏文 鯨井康介 斎藤工 青柳塁斗
荒木宏文
【乾 貞治役】
鯨井康介
【海堂 薫役】
斎藤工
【忍足侑士役】
青柳塁斗
【向日岳人役】
——まずは、夏公演の感想を。
斎藤 じゃあ、塁斗から。
青柳 夏は…アツかったですね。
   
——それは…気候が?(笑)
青柳 気候も…舞台も…。
斎藤 もっと深い意味で言ってるんですよ、塁斗は。1を1と思わないでください(一同笑)
青柳 テニミュは…夏休みのいい思い出になりました。あと、とてもいい経験になりました。ミュージカルというか舞台が初めてで、どんなものか想像かつかなかったんですけど、みんなも優しく接してくれて、やりやすかったです。メンバーが良かったです。
斎藤 稽古ではなかった観客のリアクションっていうのがあったことで、本番で塁斗のアクロバットがどんどん変わっていったよね。
青柳 そう。歓声がワーってきたらテンションが上がってやる気がでちゃって、稽古より余計に飛んでたかな(笑)
荒木 すごい飛んでたもん。
青柳 あざっす。
斎藤 僕も舞台はほとんど初めてだったんですけど、舞台って、ほんと日々変わっていく「生もの」なんだなって思いました。そこが一番ハマりましたね。
荒木 …夏公演はでも、なんだろうね、悔しかったですね。
鯨井 うん、悔しい。
荒木 『Do Your Best!』にしても、氷帝も歌ってるわけじゃない?
斎藤 …ちょっとね(一同笑)
斎藤 ちょっと待ってよぉ(笑)でも『クリスタル』とかさぁ、あれを氷帝は袖で泣きながら見てるんだよ?(一同笑)もうあそこは一体となってるんだよ。
   
——青学(せいがく)と氷帝、お互いのチームの印象は?
荒木 氷帝はほんとにすごいなって思う。対抗意識を持てるメンバーだったし、みんなのやる気を感じたし。氷帝メンバーが、この人たちで良かったと思いました。
斎藤 うれしいなぁ。
荒木 最初チラシだけ見た時はとにかく「全員すげぇ似てる!」って言ったと思うんだけど、でも稽古始まったら中身は全然違うんですよ(笑)
鯨井 打解けるのは早かったね。
荒木 早かった。
斎藤 合同稽古になってから二日目ぐらいに、青学(せいがく)のメンバーが「稽古場でいいから、みんなでご飯でも食べよう」っていう会を開いてくれて。その時からみんなの距離が近づいたんですよ。ライバルではあるんだけど、全員で作り上げるんだっていう意識を青学(せいがく)側が持ってくれたから、初心者ばかりだった僕らもそういう意識を持てたんですよね。だから一体感っていうのは最初の方からあった気がします。それはホント青学(せいがく)に感謝したいですね。
荒木 ありがとうございます。
斎藤 …と、塁斗が言ってました(一同笑)
青柳 (うなずく)
   
——青柳くんは、青学(せいがく)の印象はどうでしたか?
青柳 ……。
斎藤 塁斗が言ってたのは…(一同笑)あの、ドリームライブなんですよ、僕らが最初に観たのは。
青柳 山吹、観た…。
斎藤 山吹なんですよ、観たのは。
全員 (笑)
斎藤 塁斗はその時、青学(せいがく)のパワーっていうものを感じて…ね?
青柳 …。
斎藤 うん…だから…。
青柳 …。
斎藤 塁斗もそのパワーに…負けないように…。ね?
青柳 …。
斎藤 何か言えよ!(一同笑)
荒木 いいじゃん、助け合ってるねぇ。そういうダブルス同士の信頼関係が必要だと(笑)
斎藤 そうですね。でもここ(荒木・鯨井)のダブルスって僕たちと似てる気がするんですよ。ま、試合で負けるっていうのもそうなんですけど、役としてだけじゃなく、落ち着いて客観的にものを見てるチームだなっていうのが。
全員 ああ。
荒木 あるね。この4人はそうだね。率先して何かをやってないやつら(笑)
斎藤 でもその分周りが見えてるから、アドバイスもするし、人のアドバイスもすごい聞くメンバーだと思いますね。クールダウンチームだよね。一人だけ舞台上ではじける人はいますけど…。
青柳 舞台袖でもはじけてるよ(笑)
全員 (苦笑)
   
——それじゃあ、夏公演を振り返って、いかがですか?
斎藤 やせましたね。
鯨井 やせたぁ。顔がこけてるって言われてた。
斎藤 鷲見亮以外はみんなやせましたね(一同笑)
荒木 俺は、体脂肪率が10%をきった。
全員 おお。
鯨井 僕も初めてスポーツマッサージに行きました。
斎藤 10代にして。
鯨井 そう。「そろそろ自分でペースを考えて」って言われて。18なのに(笑)
斎藤 もう部活みたいだったもんね。夏合宿か!みたいな(笑)
荒木鯨井 そうそう。
鯨井 ルイルイは元気だよね。
荒木 でもテーピングとかしてたもんね。
青柳 なしでもいけたんだけど、念のために。
荒木 まぁ、そのへんに関しては冬公演の課題でもあるわけですよ。
   
——千秋楽ではどうでした?
荒木 俺は号泣ですね。
斎藤 俺も号泣ですね。
鯨井 僕は泣いてないですよ。僕は舞台上では泣かないように努めております。打ち上げの時は大号泣ですけど。
荒木 俺は毎回泣くよ。もうね、我慢できないってことがわかった(笑)
斎藤 俺も。我慢するとメガネが曇るんですよ(笑)でもホント演出の力なんですよね。作品の中でだんだん最後にみんなが一つになっていく、その感情の高ぶりから出る涙なんですよ。
青柳 僕は、みんなが泣いてるから泣いた(一同笑)
斎藤 塁斗が泣かなかったら、おっさん達ばっか泣いててかわいそうだもんな。
青柳 うん。
荒木 優しいなあ(笑)
青柳 氷帝では、晃二が先に泣くから…
鯨井 晃二はもう、ボロボロでしょ!
斎藤 ほんともう。でもやっぱ思い入れあるんですよね。それぞれ感極まるものが。限界ギリギリまでがんばったものが終わるってことで、ただの終わりとは違いましたね。
   
——作品の中の、どのあたりから泣きそうになるんでしょうか?
斎藤 後半ですね。やっぱり、ほんとに戦ってるからみんな。最後の日吉・リョーマ戦は、日吉対リョーマじゃないんですよね。氷帝対青学(せいがく)なんですよ。だから他人の試合を見てるって感じじゃなくて、一球一球に自分の感情も揺らぐし…。
青柳 あとね、三幕の手塚・跡部戦で、『Do Your Best!』のメロディが流れてるじゃない?
斎藤 ああ!あれは、そうだね。
青柳 あそこでちょっときてる。
斎藤 手塚の「くるな!」もきますね。あそこは青学(せいがく)のドラマだけど、僕らの思いも変わるんですよ。それまで余裕というか土臭い感情はなかったんですけど、もうそういう試合じゃないんだっていう感情になってくるんですよね、全体が。魂と魂の戦いなんだっていう切り替えの瞬間かなって思いますね。だからやっぱ三幕ですよね。
鯨井 俺はやっぱり、河村・樺地戦だな。あれはグッときた。
全員 ああ。
荒木 僕が泣きそうなところは…。
斎藤 泣き虫軍団みたいだな(笑)
鯨井 ほんとに一つ一つがドラマだからなぁ。
荒木 俺はぶっちゃけ、一幕でもう泣きそうになってる(一同笑)一幕で手塚に負けた段階でもう泣きそう(笑)乾は、久しぶりに試合して負けてるんですよ。
鯨井 まず、悔し泣きなんだ。
荒木 で、2幕でまた負けるんですよ。乾的には1幕2幕3幕全部負けてる。
斎藤 負けどころ満載ですね(笑)
荒木 あと、『3人でダブルス』。あいつらのあの信頼関係にちょっと泣けてくる。あいつら三人、プライベートでもほんとに仲が良くて、いつも三人でいるんですよ。その仲の良さが舞台に出てて…見守ってる大石と、見守ってくれてるから安心して戦えている二人と、その関係を見てたら泣けてきた。
斎藤 俺らはそいつらにやられるんですけど(笑)その関係性にやられるんですよ。
荒木 ちょうどその関係を表現してる時、氷帝では、忍足が岳人に近づいていくのに、岳人はそれにソッポ向く。
斎藤 我を忘れちゃう。
荒木 氷帝は個々に必死になり始めて。そのギャップがあるから余計に、その場面がわかりやすくなってたよね。そういった意味で青学(せいがく)の表現だけじゃなく、お互いが助け合って作り上げたシーンっていう感じですね。
   
——青学(せいがく)メンバーは、フォームがきれいでしたね。
斎藤 超きれい!僕らの試合の後がこの(荒木・鯨井)試合で、一番ゆっくり見れる試合なんですよ。僕ら、近くで鯨ちゃんのスネークを見てたんですけど、美しいんですよ。テニスって美しいなって思いましたね。なんか、アートだなって。
鯨井 (小さく)ヤッタ。
荒木 打球の重さがないくらいだよね(笑)
鯨井 あるよ!感じてるよ。
荒木 俺は、それがわからないくらいスムーズに振ってた。当たるタイミングは音でわかるから。
鯨井 見せ方としてね。
荒木 そう。でももっと速く振りたい。冬公演の課題だな。
斎藤 課題はあるね、氷帝も。
青柳 ある!
斎藤 全体として、いっぱいあるますね。今「DVDをみんなで見よう」って話をしてて。反省会をしようっていうか、次につなげるために。再演とはいえど、みんなも成長しているわけですから。それを見せるために、どうするかっていうのをみんなで話そうかなって。夏と同じものじゃやる意味ないと思いますね。
   
——日替わりゲストも変わりましたが…
鯨井 また期待のやつらがやってくる感じですね(笑)
斎藤 特に赤澤役の堅治くんとはモデル時代一緒の事務所だったので。絡むかわからないけど、楽しみですね。あとあの漫才コンビ(笑)マモくんとシュンくんも、地味'Sも…面白いですよね。
荒木 怖ぇ!またもってかれそうだなぁ(笑)あのダブルス三組、怖いなぁ。
斎藤 でもみんな、堅治くんもうそうだけど、氷帝公演をすごく評価してくれてるんですよ。今までのテニミュの中でも相当良かったって…逆にプレッシャーを彼らは感じてるみたいなんですよね。だからお互い、良いテンションで緊張感をもってできるんじゃないかなって、楽しみにしてます。…って、塁斗が言ってました(一同笑)
 
——それでは冬公演への意気込を?
荒木 意気込みねぇ…とりあえず試合勝とうか?
斎藤 そうだね。たぶん僕らだけ勝っちゃうとバランス悪いから、お互い勝っちゃおうか(笑)
青柳 …話、変えちゃうの?
鯨井 俺のスネークも返されないし、5ミリも出ない(笑)
荒木 申告しない(笑)
鯨井 なんか汚いチームみたいだな(笑)
斎藤 それは冗談としても、負けるチームがいかに「勝ちにいく」っていう気持ちを持つかで、変わるからね。
青柳 気持ちで勝ってく、みたいなね。
荒木 お互い高め合っていきたいよね。青学(せいがく)は全員、氷帝に負けないテンションでいかないと。後は、日替わりゲストのダブルスに負けないように。
鯨井 同じダブルスとしてね。こまかい動きで連帯感を見せたいよね。ちょっとした呼吸、ちょっとした目くばせ、さりげないフォローだったりとか。あと、そこから生まれる信頼感。気持ちの面での戦いっていうのは大事にしたいですね。
荒木 なにより、物語は変わってない、でも夏よりもいいものを…っていうことが大きいテーマだし、それをクリアする上で、ポイントポイントでの課題はすごく多い。
斎藤 客席だけじゃなく、舞台上の役者同士が、お互いに感じ合えるものをもっと深めていけば、絶対に完成度は上がると思うんですよ。僕らが夏と違うのは一度経験してるってことで、プロフェッショナルとしてもう一個レベルの高いものいにしないと、やる意味はないと思う。
青柳 夏の反省を活かして、もっといいものを見せられるようにしたいですね。お客さんに伝えるってことをもっと意識したいと思います。
斎藤 良いこと言った!
   
——最後にHPをご覧の方にメッセージを。
斎藤 すごい人気でチケットが即完売したらしくて、観れない人がいるんですよ。だからそれがこちらとしてもいたたまれない。もちろん何度も観てくれる人もうれしいけど、観れない方に対してすごいやるせない気持ちになるんですよ。それをわかって欲しいですね。僕らもチケットが取れなくて悔しい人にこそ観て欲しいという思いをもってやってます。
荒木 僕は、意気込みとして…そうですね、いつ来て頂いてもトチることなく、かむことなく…(一同笑)
鯨井 あ、今度青学(せいがく)はヒトカミ百円の「かみ募金」やりますんで。
荒木 ああ、うん。そして貯まったお金はユニセフに送ります(笑)
青柳 僕は…曲名のようにベストを尽くしてがんばります。
荒木 がんばろうな。
鯨井 期間が長いですけど、自分の体をしっかり管理して、全公演全力でできるように一生懸命完全集中でがんばります。
斎藤 ほんとに海堂みたいなやつですからね、こいつは(笑)
 © 許斐剛/集英社・NAS・テニスの王子様プロジェクト © 許斐剛/集英社・マーベラス音楽出版・ネルケプランニング
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