キャラクターへの思い入れをモデリングに生かす
キャラクターを動かしたい!
モデラーを目指したきっかけは、ゲームの中でもとりわけキャラクターが好きで、自分で動かしてみたいと思ったからです。特に3Dは立体化できる楽しさがあり、自分の性に合っていました。職業病といいますか、今では何を見ても「どういった立体感なのか」「ワイヤーフレームでこういうふうに割ればきれいかな」なんて考えてしまいますね(笑)。
スキルアップ、チャレンジができる会社
私は九州のゲーム制作会社から転職をしてきました。東京に来た理由のひとつが、3Dキャラモデラーとしてステップアップしたいと思ったからです。この世界では、ツールがどんどん発展していくのですが、実際の現場で使っていかないと、技術的な成長が望めません。幅広いジャンルのゲームを手掛けているこの会社であれば、今まで使ったことのないツールを経験でき、スキルアップできると期待しました。
実際に入社してみて、自分の予想は外れていませんでしたね。マーベラスでは今までやりたかったこと、まったく新しいことに挑戦できるんです。特に印象深かったのが、ゲームタイトルに自分の案が採用されたことです。入社して最初にジョインしたプロジェクトでタイトル案のチーム内コンペがあり、応募してみたところ、見事に採用されました。前職では、タイトル決めなどの重要なことにデザイナーが参加できる機会はなかったので、「こんなことができるんだ!」ととても楽しかったですね。
新人研修でモデリングを
私がチャレンジできたのはこれだけではありません。入社3年目にはモデラーだけでなく、新人研修も担当していたのですが、開発が落ち着いている期間に、その年に入った新入社員3人の研修として、ゲームには登場しないSDキャラクターのモデリングを制作してもらいました。結果として、この取り組みが社内で大変好評で、ダウンロードコンテンツとして実装されるなど、どんどん広がっていったんです。本来の業務内容から少し外れていますが、こういったイレギュラーな試みにも挑戦し、それをみんなで楽しむことができるのも、弊社だから実現できたことだと思います。
良いデータを見ることでセンスを養う
モデラーは、美術的な観点や技術的な知識も必要ですが、何よりも「新しいことをやりたい」という思いが重要だと思います。ツールはどんどん進化していきますから、新しいツールを触るときは、毎回初心に戻った気持ちで取り組んでいます。
そして、同じツールを使ったとしても、実はつくる人によって仕上がりも大きく異なります。これはツールの技術だけではどうしようもない、美術的なセンスが大きいですが、このセンスはたくさんのモデリングデータを見て、良い部分を取り入れて、自分で学びながら養っていくしかありません。弊社には優秀なモデラーさんがいるので、そうした方のデータを見るのもプラスになりますし、受託案件で社外のさまざまなデータを見る機会にも恵まれています。
皆で「より良いもの」に仕上げていく
『Fate/EXTELLA LINK』ではリードキャラクターモデラーとして参加させてもらい、すべてのキャラクターのモデル監修および調整を行いました。中でも思い入れがあるのは、ネロという主人公キャラクターです。一番最初に作成されたキャラクターでもあり、「こういうシェーダーにしたらどうかな」などと調整して、見た目の方向性を決めたのもこのキャラクターが最初になります。ゲーム雑誌にグラフィックが初公開された際には、画面キャプチャーの協力などもさせていただきました。
チームに入って数カ月たったところで、うれしいことにアートリードも担当させてもらいました。これまではキャラモデラーやモーションしかやってこなかった私ですが、ここでライティングや絵づくりなども体験することができました。プログラマーと「こういうことを技術に落とし込みたい」と相談するなど、モデリングだけでなく幅広い分野に関われた良い経験になりました。
努力を評価されアートリードに
モデリングはいつも、その場その場で全力投球しています。「少しでも良いものを……」と思うとつい頑張りすぎてしまうのですが、「頑張ってるね」と周りはきちんと見てくれているし、その努力を評価してくれたからこそアートリードに抜擢していただけたと思っています。もちろん、褒めてほしくてやっているわけではないですが(笑)、ちゃんと見てくれているのはうれしいですね。
また、弊社ではおもしろいと思えるアイデアや企画は、所属部署関係なく聞いてもらうことができます。ビジネスですので何でも採用とはなりませんが、誰でもチャレンジをしやすい文化があると感じています。
さまざまな技術や経験を持った人に参加してほしい
PlayStation®5が発売され、ゲームのハードも新たな世代になりました。弊社も、自社タイトルや開発の強化など、これから新しい挑戦に取り組んでいきます。特に開発力の強化には、社内にとどまらず外からのさまざまな技術や経験が必要だと考えています。これから参加していただく方には、ぜひこれまでの経験を生かして、一緒に新たな挑戦に取り組んでいただけたらと思っています。
私自身は、最近は新人研修や支援ツールの作成、外部協力会社とのやり取りといったモデラーから離れた業務も手掛け、仕事の幅は広がっています。とはいえ、ゲームのハードもいよいよ新世代になるので、初心に戻って周りから情報を吸収しつつ、もっともっとモデリング技術を向上させていきたいです。
©TYPE-MOON ©2019 Marvelous Inc.
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