美容少年★セレブリティ

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◆ 第5話 ◆

いつものビューティ★ボーイズ控え室。朝から豪のどなり声が聞こえる。
「いいかお前ら!俺ん家は、こいつに負けないぐらいのセレブなんだからな!」
「悪いけど、お前からは俺と同じ匂いがしないんだけどな。」と相変らずクールな涼。
「うるせぇ!俺ん家はな、部屋30個、トイレ3つ、風呂が4つ、車が7〜8台あるんだ!」
ムキになっている豪に、ボーイズたちは呆れ顔。とうとう塁が、冷たく言った。
「豪って、子どもの頃から嘘つきだったのか?」

5話イメージ1 「ボワタージ!我がビューティ★ボーイズ。」
その頃、店長室では西郷山がオーナーからのメッセージを聞いていた。
「さて、今回のレディーだが、名前は堀部亜湖(三浦 萌)。彼女は今までのレディーの中で1番・・・・」
オーナーからのメッセージを聞き終わった西郷山は、眉間に深い皺を寄せていた。そこへ、憤然とした豪がやって来た。
「西郷山さん!納得いきません!俺はあいつらよりも腕もいいし、仕事も速いのに、なんで担当になれないんっすか!」
西郷山は一瞬考えてからニヤリと笑って言った。
「今日の担当はお前にしよう。幸い今日のお客様は、お前にぴったりの女性だ。」

西郷山との密約に上機嫌の豪だったが、サロンに現れたのは、まだあどけなさの残る少女とその母親・堀部小百合(中村 綾)だった。
「お、俺にぴったりって・・・・。」
ひきつっている豪を尻目に、ビューティーカウンセリングのゴングが響き渡った!
しかし、子どもとはいえ亜湖はなかなかのツワモノ。
「私、図々しい人嫌い!嘘くさい人も嫌!あなたたち全然一流に見えない!」
「俺だってお前みたいなクソガキはごめんだ!」
だが、約束どおり担当は豪に決まってしまう。サブは、唯一亜湖が気に入った景だった。

5話イメージ2 今日は友達をたくさん呼んで、超一流のレストランで亜湖の誕生日パーティをするのだと言う。亜湖は不機嫌な表情で、これと同じにして!と豪に雑誌の写真を突きつけた。
それは、おしゃれだが大人びた子どもらしくないスタイル。
「これ、本当に亜湖ちゃんの希望?」
何気ない景の質問に、一瞬亜湖の表情が曇る。
「本当よ!ママと一緒に考えたの!下らないこと言ってないで、さっさとやって!」
「どうせママの言いなりだろ?」
その時ふと、亜湖のポケットから白いハートの髪留めが落ちた。プラスチックでできたそれは、いかにも安っぽいものだった。豪が拾い上げる。
「大事なモノなのか?」
「・・・別に。」
「じゃあ、俺が捨てとくよ。」
そう言って豪が持ち去った髪留めを、じっと目で追う亜湖。その瞳はどこか寂しげで・・・。

「痛い!今髪ひっぱった!へたくそ!一流なんて嘘じゃん!」
豪がカットを始めても、亜湖の機嫌は悪くなる一方。
「なんだと!お前がどれだけ金持ちか知らないけど、俺に比べれば全然だぜ!」
「何よ!私なんか、毎朝学校へポルシェでお見送りだし、株とか持ってるし、その上学校で一番人気者だし、勉強も運動も…」
そんな亜湖の言葉を遮るように豪が言った。
「お前、イジメられてるだろ。」
亜湖の表情が凍りつく。
「俺はな、お前みたいな嘘つきなガキが一番嫌いなんだよ!お前なんかこれで充分だ!」
そう言うなり、なんと豪は亜湖の髪を乱暴に掴み、ザックリと切り落としてしまった!!
さすがの亜湖も泣き出し、異変に気付いた小百合がフロアに駆け込んで来た。
「なんてことするの!?今日は私たちのすべてがかかってる日なのよ!」
そう憤る小百合と、泣きじゃくる亜湖にむかって、豪はひるむことなく言った。
「どうせ、それも嘘泣きだろ!」
5話イメージ3 次の瞬間、顔を上げた亜湖の頬には、1滴の涙もなかった。しかし、小百合の怒りは収まらない。
「何なのよあなた!私たちは、客よ!」
小百合に言い返そうとする豪の言葉を遮ったのは、店長・西郷山だった。
「彼は今この場でクビにします!」

豪は本当にこのまま店をクビにされてしまうのだろうか?
亜湖の本当の気持ちとは何なのだろうか?
そして、ビューティ★ボーイズたちは、この親子を美しくすることができるのだろうか・・・・


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