美容少年★セレブリティ

次回予告&ストーリー

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◆ 第7話 ◆

「ズドラーストヴィチェ!ご機嫌うるわしゅう、我がビューティ★ボーイズ!」
ロシアにいるオーナーからのメッセージを聞く西郷山。
「次のレディは、森崎愛美(西山繭子)28歳。大変美しい女性だが、自分だけしか見えていないその心が、美を妨げている。だが、君たちなら大丈夫だろう。
そうそう、それと涼のことなんだが・・・・」

その頃、控え室では豪と塁が盛大なケンカをくり広げていた。
「所詮、お前らは脇役だろ?俺たちビューティ★コンシェルジュに気を遣えよ。」と、豪。
さすがの塁も熱くなって言い返す。
「ふざけるな!俺たちメイク、ネイル、スタイリストがバッチリ仕上げてこそ、お前らの仕事が引き立つんだ!」
たまらず、潤が2人を止めようとするが、それを塁が制した。
「お前の気持ちは兄ちゃんが一番わかってる!お前だって許せないだろ?」
「でも・・・・・・・。」
塁の強い言い方に、言葉を飲んで黙り込むことしかできない潤。
そこに、何も知らない涼が入って来た。
「あれ?その花ってアスターだろ?」
涼が潤の持っている花を見て言った。アスターは、可愛らしい白く小さな花をたくさんつけている。その花言葉は・・・・。

7話イメージ1 店のドアが開き、森崎愛美が入って来た。今でも充分におしゃれで、美人の愛美。だが、その視線からは気の強さ、プライドの高さが漂っていた。
「出でよ、美の申し子たちよ!」
西郷山の声がフロアに響き、ビューティ★ボーイズたちが、颯爽と愛美の前に現れる。
しかし・・・・
「あれ?涼が、いない。」
慌てて呼びに行こうとするのを、西郷山が止めた。
「申し訳ございません、お客様。もう1人のビューティコンシェルジュは、急遽こちらの用件で、たった今ハリウッドへと旅立ちました。」
驚くビューティ★ボーイズたちをよそに、容赦なくビューティカウンセリングのゴングが鳴り響く! 「気分を変えたいから、思い切ってバッサリ切ってちょうだい。」という愛美に、思わず豪が、失恋でもしたのかと軽口を叩いた。その途端、愛美の目に怒りがともる。
「違うわよ!私が面倒みてやらなきゃ何にもできないダメ男なのに、私のありがたみが全然わかってないから、こっちからフってやったのよ!」

7話イメージ2 まだ気持ちが落ち着いていない愛美をリラックスさせようと、潤はアスターで作った小さなアレンジメントと、ローズヒップティーを持って行った。
「どうぞ、こちらのお花はサービスです。アスターというお花で・・・。」
しかし、愛美はいきなりその花を手で払った。床に落ちて割れるカップと、アスターの花。
「私、花が嫌いなの!」
愛美にあやまろうとする潤より先に、塁が飛んできて深々と頭を下げた。
「弟が失礼致しました!! ここは俺がやるから、お前はさがれ。」
「塁兄ちゃん・・・・」
「言う通りにするんだ!兄ちゃんがちゃんとやっておくから。」
「でも、僕が・・・!」
そう言いかけた潤の言葉を遮ったのは、愛美だった。
「いいお兄さんね。面倒見る立場の人って大変なのよ。黙って言う通りにしてなさい。」
潤はギュッと唇を噛み締め、その場を去ることしかできなかった。

「その10個のキャンバス、お借りしてもよろしいですか?」
豪のカットが終わり、潤のネイルの番になった。潤に手をあずけながら愛美は言う。
「あなた、私の彼と似てるわ。何でも人の言いなりで、いつもお兄さんが面倒見てくれて るんでしょ?1人じゃ何もできないんだから、ちゃんと感謝しなさいよ。」
7話イメージ3 「・・・わかってないのは、そっちだ。」
初めて見せた、潤の心の奥底から出て来た言葉。
「あなたは彼の想いを、本当にわかってたんですか?!」
突然そう言い残し、潤は走り去ってしまった。
なんと、愛美の爪をすべて真っ黒に塗りつぶして・・・・

心のドアを堅く閉ざしてしまった潤。
兄であり、いつも側にいた塁はそのドアを開けることができるのだろうか?
そして、涼が残していったアスターの花言葉とは・・・・・?


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