美容少年★セレブリティ

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◆ 第12話 ◆

「そいつは俺たちの手には負えない。化け物だ!」
怯えきっている涼に、デイヴィッドはふてぶてしい笑いを浮べて言った。
「どうする?待ってやってもいいぜ。勝つ自信があるならな!」
その言葉に、豪は黙ってフロアを去る。続いて涼までも。
しかし、景だけは、真っ直ぐにみどりの目を見て言った。
「僕に任せて。必ず君のこともキレイにしてあげる。」
だが、ドレスアップしたあおいを見せ付けられたみどりは、景に冷たく言い放った。
「悪いけど、しばらく一人にして。」

12話イメージ1 3人のコンシェルジュがフロアを去った今、ビューティ★ボーイズたちの心もバラバラになり、誰もが焦っていた。しかし、意外にも冷静だったのは、一番年下の潤だった。いつものようにハーブティを淹れ、みどりの様子を見に行く潤。相変らず不機嫌な顔のままのみどりだったが、どこか淋しそうに首にかけたペンダントをじっと見つめていた。そのチェーンには、あおいとおそろいの指輪が…。潤がやさしく話しかける。
「みどりさんは、どうしてその指輪しないんですか?きっと似合うのに。」
「似合うわけないでしょ、私なんか。同情はやめて!」

潤に促されるように、近藤と塁もあおいの元へと向かう。
あおいは、何かを想いながら左手の指輪をじっと見つめていた。デイヴィッドの技で完璧に美しくなったはずなのに、その横顔はどこか淋し気で…。
あおいの話から、指輪はパパからのプレゼントであることがわかった。そのパパとは今日十年ぶりに再会する。十年前に離婚したが、先月母親が亡くなったために、今日から一緒に暮らすのだと言う。子どもの頃は仲の良かった2人だったが、次第に比べられることが多くなり、今ではいがみ合うようになってしまったと、諦めたようにあおいは語った。

12話イメージ2 控え室では涼が荷物をまとめ、コンシェルジュを辞める決心を固めていた。豪も辞めようと言いかけた時、景が控え室に入って来た。
「僕たちはまだ負けてない!」
景の力強い言葉に、潤も続く。
「僕は絶対に解散なんかしたくない!」
「デイヴィッドは確かにすごいが、あいつからはミュージックが聞こえない!」と塁。
「あなたたち大事なこと忘れてない?今日お客さんと何話した?」
近藤の言葉にドキリとする3人のコンシェルジュたち。デイヴィッドとの勝負に気を取られて、彼女たち自身のことが全然見えていなかった。

「外見だけじゃなく、心まで美しくしてあげる。それが私たちの仕事。」
そう微笑みかける近藤に、もう1度彼女たちと真っ直ぐに向き合おうと誓うボーイズたち。
今、ビューティ★ボーイズが1つになった!

12話イメージ3 フロアに戻ったボーイズたちは、みどりに必ずキレイにしてみせると約束する。
憮然としているみどりの肩を、景がやさしくマッサージでほぐし始めた。
「君たちの心は、余計なもので溢れている。怒り、妬み、憎しみ…。 さぁ吐き出して!心に思っていることを全部!」
どこからか、草原を渡るようなさわやかな風が吹いてきた!その風にみどりの心も緩む。
「私は・・・ずっとあおいがうらやましかった。パパがあおいばっかり可愛がるから。」
いつの間にか、みどりの目から一筋の涙がこぼれ落ちる。と同時に、あおいの目も潤み始めた。

「君たちはそろそろ仮面を脱ぐべきだ!」と豪。
「怖がらなくていい、お互いを受け入れるんだ!」と涼。
「人はキレイになるんじゃない、自分になるんだ!」と景。

「ほら、消えていくよ。君たちを苦しめていた醜い心が!」
景の必殺技“眠り羊”に、みどりが心を開き、眠りに落ちかけたその時!
「ハーッハッハッハッハッハッハッハ!」
耳をつんざくようなデイヴィッドの悪魔の笑い声が、“眠り羊”を破った!
12話イメージ4 「お前は負け犬だ!本当は妹をメチャクチャに打ち負かしたいんだろ?俺が勝たせてやる!」
眠りを遮られたみどりの表情が変わった。鏡越しにキレイにドレスアップしたあおいを睨みつける。
「あんたなんかに絶対負けない!」
そう言い残し、デイヴィッドの胸に飛び込むみどり。

「この勝負、デイヴィッドの勝利とする!よって、今日限りでビューティ★ボーイズは解散だ!」
容赦ない西郷山の声が、フロアに響いた。いつにない厳しい表情の西郷山。
不敵なデイヴィッドの高笑いが、いやらしくこだまする。
「お前たちはもう必要ない!この店はデイヴィッド1人で充分だ!」
ついに、西郷山にも見放されてしまったビューティ★ボーイズたち。

本当にこのままビューティ★ボーイズは、解散してしまうのだろうか?
必殺技をも破られてしまった彼らに、秘策はあるのか?
そして、「セレブリティ」の真の目的とは一体・・・・・・・・


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