赤髪の青年傭兵カシアスとともに、星のカケラを集めるアーサー。ヴェストリアに戻ると、ギルドのおばちゃんから声がかかった。 なんでもじきじきに依頼があるそうだ。
「トカゲイチゴの実」「光り花の露」「風切り草」という3つのアイテムを集めてこいとのこと。 「まさか私の頼みは断らないわよね」的な押しの強さで、有無を言わせぬおばちゃん。こういうおばちゃん、親戚にいるわ……。
仕方なく、もう一度あちこちを回る。それはアーサーのモテモテ紀行だった。 各種族の女の子と急接近! 人生にはモテ期が3回あるというが、盆と正月がいっぺんに来た感じか。
いい味出してるおばちゃん。このゲームの登場人物たちは、いずれも存在感を放っている
依頼の品を集めて、おばちゃんに持っていくと報酬としてイヤリングをくれた。そこでおばちゃんは言い放つ。 「どこかのいい子にプレゼントしな。いるんだろ、気になってる子が」。なんたるおせっかい……。ギルドの人かと思ったら、結婚相談所の人だったんかいっ!
実は、ヒロインの誰かと結ばれて、生まれた子が2章の主人公となるのだ。うーん、困った。もう一度、今までの旅を振り返ってみよう。
野ウサギを真剣に狩るカシアス、何度も死にながらボスを倒すカシアス、マヒでビリビリと輝くカシアス……。ダメだ! カッシーの勇姿が次々と頭の中を巡る。 アー・カシの絆は想像以上に強い。
と、バカなことを言ってる場合じゃない。 女の子によって、2章で選べる種族が変わり、得意とするスキルの効果がアップしたり、能力の限界値が上昇したりと特典があるらしい。 悩みに悩んだ末、アマンダラに決定。ドワーフだから、体の丈夫な子になりそうだ。
しかし、ノルズの砦に向かうと、アマンダラが行方不明に。 ストックドワーフの族長ナジークによれば、2種のドワーフの和睦のため、ナジークとアマンダラの結婚話が持ち上がっていたそうだ。 ライバル出現!? 大変なことになってきた。
でまあ、詳しくは書かないが、なんだかんだでアーサーとアマンダラはいいムードに! 他のヒロインのシナリオはどんな感じなんだろう? 気になるなぁ。
北方にあるダーナ山脈。ザコ敵にはファイアなどの炎属性攻撃が有効なようだ
戻ってきて久々に車いすの少年アドルのところに顔を出す。 最後のカケラのありかは、リハノス山岳のさらに奥、北のダーナ山脈。たどり着くとそこには一面の銀世界。汚れなき反射光がまぶしい。
今やアーサーも一人前の戦士。 最近はレベルアップ時にもらえるセットポイントをVIT(生命力)中心に割り振っていることもあり、ダメージもあまり受けない。 本当は弓使いにするにはDEX(器用さ)を上げるべきなのだろうが、それはまた次の章にとっておこう。
スキルはファイターの「ストレングス」を最高のレベル5まで上げ、HPの自然回復量が上昇する「ジェネレイティブ」もセットした 。ほかにはSPD(素早さ)が上がるシーフの「ゲイル」を装着。
武器は片手剣のカッツバルゲル。比較的軽い割には強力。 もともと神聖ローマ帝国の兵士が使用していた剣で見た目も格好いい。 しかもドワーフの鍛冶屋で鉱石を消費して強化済み。もはやアー・カシコンビに敵はいない!?
雪を踏みしめ、山道の奥に進んだところでイエティが現れる。毛むくじゃらの巨体が襲いくるも難なく撃破。 だが、倒したあと立ちはだかったのは、えっ、まさか……! すごいことになって第1章は終焉を迎えた。
真面目に分析すると、1章の結婚という仕掛けは2章に至る前の壮大なキャラメイキングととらえることもできる。 新たな種族の追加というプラス面もそうだが、出生のバックグラウンドがわかればそれだけ感情移入もしやすい。資質と思い入れ、2方向から受け継ぐものがあるのだ。
ちなみに2章冒頭、パラメータは1に戻るが、上げたスキルレベルは1/3ほどになって持ち越された。やはりスキル育成は計画性が大事なようだ。
2章がスタート! 女性を選べば1章で手に入れた女性専用防具も役に立つ
とうとう待望の2章がスタート! まずは、キャラクターメイキング。 今度は主人公の性別も選べるようになったので、女性にしてみる。ボイスは、きりっとしたさっぱり系に決定。 1章から察するにどうやらセリフはなく、戦闘時の声のみのようだが、かけ声だけでもずいぶん印象が変わる。
名前は新しく考えることに。アーサーから発想すると、すぐにアーサー王が浮かんだ。 アーサー王伝説に登場する女性といえば不倫疑惑のお妃ギネヴィア(グウィネヴィア)。ギネヴィアはロデグランス王の娘で……(以下長くなるので略)。
でもよくよく考えたら、娘につけるべき名前ではなかったか。 男だったらモルドレッドでよかったんだけど(ダメだって、オイディプスみたいになるわ!)←ファンタジーボケにファンタジーツッコミ。
種族はヒューマンのほかに、アマンダラと結婚したことによりハーフドワーフが追加された。ここは当然ハーフドワーフでしょ。新鮮な響きだ。
ドラゴンが暴れ回る! イベント的な戦闘だが、冒頭からかなりのインパクト
イベントシーンが終わったと思ったらいきなり戦闘に突入。人間の街ヴェストリアが炎上し、ドラゴンが暴れ回っている! 衝撃的な光景にゾクゾクくる。
そもそも中世ヨーロッパの都市は城壁によって、亡霊がさまよう無法な外側と内側を分けていたという。 その安全地帯に魔物が踏み込んでいるシーンは心理的にも重圧がかかる。
2章の世界もなかなかに厳しそうだ……シビアな立ち上がりに身が引き締まる。
次回は新米冒険者ギネヴィアの戦い&Wi-Fiでの協力プレイもリポート予定!
卯月鮎(うづき・あゆ)
ゲームコラムニスト・書評家。週刊誌やゲーム専門誌で活躍中。