Story 世界観
背景
カナダとの国境にほど近い人口150人あまりの小さな町…
「Greenvale」と呼ばれるこの町は、その名のとおり静かな雨のふる森に囲まれていた。
しっとりと湿った空気と、うっすらと広がる霧がなんとも言えない雰囲気を持っている。
美しい自然に包まれながら、家族のように暮らす住人たち。
彼らは、互いに知らぬ者などいないほど関係が深く、厚い信頼で結ばれていた。
まるで犯罪とは無縁の世界がそこにはあった。
しかし、この町には「黒い過去」があった。
1950年代の中頃、少女だけを狙った連続殺人事件が発生した。
犯人はレインコートをすっぽりとかぶり、雨の夜にだけ現れると言う。
凶器は伐採用の斧、うら若き少女達は皆、見るも無惨な姿となって発見された。
事件当時、地元警察とFBIによる全面捜査が行われたが、結局事件は迷宮入りとなってしまった。
後に言う『雨の殺人鬼』伝説である。
そして、ある雨の夜——
アンナ・グレアムの死という一つの小石は静かな水面に大きな波紋を呼び起こすこととなる。
表向きはいつもと変わらぬ生活を送りながらも、互いが互いを疑う住人達…。 ある者は口を閉ざし、ある者は武器を手に取った。
平和で静かだった町は——
一夜にして疑心暗鬼の渦巻く、混沌の箱庭へと変貌してしまったのである。