電脳オタクプロレスラー菊タローのエルダールその日暮らし日記 | 卯月鮎のエルダール探索録

卯月鮎のエルダール探索録

第3回 魔法を覚えたアーサーの生き様

試合に勝って勝負に負ける!? ボス戦の悲劇

軽い気持ちでノルズ鉱山の奥まで来ると、ボス戦は確実に苦戦する。きっちり準備を

■初めてのボス戦は苦い味

 ノルズ鉱山地下4階のボス戦で苦戦中。自分は攻撃するのをあきらめて、開き直ってカシアスを応援する。 だが、肝心のカシアスが虫の息。HP40、15、0……。死んだ。

 でも、しばらくすると自動回復して復活。またボスにダメージを与え始める。これ、粘ってればいつか勝てる?

■カシアス頼みの冴えない作戦

 わずかに射した光を信じ、“ゾンビ作戦”と銘打ち、自分は死なないように端をグルグル。まだ回復魔法を覚えてないので、傭兵を回復できないのがもどかしい。

 結局、何度も生死を行き来したカシアスが必殺技でボスを討つ! よかった。達成感、もとい安堵感。いやいや、むしろ罪悪感……。

キャラクター育成は本作の華

シーフのスキルレベルアップ画面。スキルポイントを消費して、自由にスキルを強化

■スキルは転用可能

 少し冷静に考えよう。このままでは情けない。本作ではスキルがかなり重要なようだ。

 たとえばシーフで盗みのスキル「ピックポケット」を覚えれば、そのスキルは他の職業になってもセットできる。 つまり、魔法使いの盗っ人もイケるのだ。グレイマウザーのように(たとえが渋すぎるか……)。

 ゆくゆくは弓一本でボスの息の根を止めてやる、と心に決めていても、ひとまずいろいろな職業について、使えるスキルを育てたり、 レベルアップしてステータスポイントを稼いだりするのが近道だろう。

■育成に悩むという幸せ

 それにしても、育成の要素が濃いRPGは、コントローラを握ってない時間でも、脳内シミュレーションで延々と楽しめる。

 スキルは基本的にアクティブ(任意発動型)とパッシブ(常時効果を発揮する)の各4つをセットできる。
「あのスキルは必須だろう」「いや待てよ、あれとこれをつけた方が戦いやすいか?」などなど、可能性の迷宮をさまよう。

 というわけで、まずは回復魔法「エイド」の習得へ。 ギルドでお金を払ってサクッとプリーストに転職した。 ついでに状態異常を回復する「ピュリファイ」も覚え、そのあとファイターへ転身。 コツコツとレベル上げをしてスキルポイントを稼ぎ、「ストレングス(常時攻撃力アップ)」を強化する。

孤高のエルフ・オルフェリアの癒し

「迷いの森」という名前がつけられてはいるが、あまり迷わなかった気が……


主人公の命を助けてくれたエルフのヒロイン、オルフェリア。やさしい娘だ

■妖しげなエルフの里スズリィ

 ある程度、戦う体勢も整い、次は南門からエルフの里へ向かう。 草原を少し行くと木々が目立ち始め、やがて森に入った。その名も「迷いの森」。うっそうとした大樹が生い茂り、不気味な感じだ。

 しばらくすると、ムービーが入り怪しい化け物にぶん殴られて気絶! 気がついたらエルフの美女オルフェリアに看病されていた。

 ここのエルフたちは妖しい雰囲気を漂わせる。 街の奥の酒場では、1組のカップルがベタつく……。 不意に「Barエルフ」という言葉が浮かんだ(こう書くと場末感たっぷり!?)。この里はウェットで存在感がある。

■沼の主は意外にも……

 オルフェリアと一緒に、里に隣接する「幻霧の沼」へ。 カエルやアンデッドがうろつく中、どん詰まりのところでボスが登場。死神に似たモンスターがふわふわと襲ってきた。しかも何体も!

 あっという間に囲まれるカシアス。こちらは覚えたエイドで必死に相棒を回復。 ゾンビ戦法ではない、息の合った戦いぶりだ。といっても相変わらずカシアスのサポート役だが。まあ、いいか。

■種族を越える絆が物語のテーマ

 ここでのオルフェリアのエピソードは切ない。 1章は予想以上にシナリオ主導で進み、異種の交流というテーマも根底に流れる。普通のRPGと、育成主体のMMORPGの中間といった感じだろうか。

 戦闘も、パッと見アクションに映るが、RPGのコマンド戦闘をリアルタイムに移し替えた、という印象。

 回避操作などはなく、ダメージをくらうかどうかは回避率で決まるあたり、やはり本質はRPG。アクションが苦手でも大丈夫だ。

エキゾチックな装いのホビット族

ホビットのヒロイン・アイグルは小さくて可愛らしい。ホビットなので当然だけど

■あの娘との出会いは突然に

 ドワーフ、エルフと来て、異種族の最後を飾るのはホビット。東モール平原をひたすら進む。 だだっ広く、ゆるやかな起伏の草原が、昔リュックひとつで、やけになって行ったアイルランドの牧草地を思い起こさせる。

 目の前はホビットの集落。と、すごい勢いで女の子がぶつかってきた!?  転校初日にありがちな出会いが、モンスターうごめく草原で実現した!このホビット少女の名前はアイグル。彼女のあとについてホビットの集落に入る。

■ホビット族の暮らしと掟

 丸い家に住み羊を飼う人々の暮らしはモンゴル風。男性ホビットは、顔も格好もアジアンテイスト。 ホビットのこうした味付けは新鮮。集落からはフッと土の匂いがする。

 ここには、「亡国の城」という廃墟があり、アイグルはこの場所に秘密を隠していた。だが、それは集落の決まりに反する行為。おりしも事件が起こり……。

■亡国の城に巣くう魔物

 で、いろいろあって、亡国の城に潜る。スキルほしさのため腰かけだったはずのファイター業がすっかり板についてきた。 剣を振り回し、危なくなったら魔法で回復する。

 これで星のカケラもだいぶそろった。次週は急展開!?

卯月鮎(うづき・あゆ)

ゲームコラムニスト・書評家。週刊誌やゲーム専門誌で活躍中。
著書に、中学生にファミコンを遊ばせる『はじめてのファミコンなつかしゲーム子ども実験室』(マイクロマガジン社刊)がある。
また、海外ファンタジー小説の解説も手がける。