軽い気持ちでノルズ鉱山の奥まで来ると、ボス戦は確実に苦戦する。きっちり準備を
ノルズ鉱山地下4階のボス戦で苦戦中。自分は攻撃するのをあきらめて、開き直ってカシアスを応援する。 だが、肝心のカシアスが虫の息。HP40、15、0……。死んだ。
でも、しばらくすると自動回復して復活。またボスにダメージを与え始める。これ、粘ってればいつか勝てる?
わずかに射した光を信じ、“ゾンビ作戦”と銘打ち、自分は死なないように端をグルグル。まだ回復魔法を覚えてないので、傭兵を回復できないのがもどかしい。
結局、何度も生死を行き来したカシアスが必殺技でボスを討つ! よかった。達成感、もとい安堵感。いやいや、むしろ罪悪感……。
シーフのスキルレベルアップ画面。スキルポイントを消費して、自由にスキルを強化
少し冷静に考えよう。このままでは情けない。本作ではスキルがかなり重要なようだ。
たとえばシーフで盗みのスキル「ピックポケット」を覚えれば、そのスキルは他の職業になってもセットできる。 つまり、魔法使いの盗っ人もイケるのだ。グレイマウザーのように(たとえが渋すぎるか……)。
ゆくゆくは弓一本でボスの息の根を止めてやる、と心に決めていても、ひとまずいろいろな職業について、使えるスキルを育てたり、 レベルアップしてステータスポイントを稼いだりするのが近道だろう。
それにしても、育成の要素が濃いRPGは、コントローラを握ってない時間でも、脳内シミュレーションで延々と楽しめる。
スキルは基本的にアクティブ(任意発動型)とパッシブ(常時効果を発揮する)の各4つをセットできる。
「あのスキルは必須だろう」「いや待てよ、あれとこれをつけた方が戦いやすいか?」などなど、可能性の迷宮をさまよう。
というわけで、まずは回復魔法「エイド」の習得へ。 ギルドでお金を払ってサクッとプリーストに転職した。 ついでに状態異常を回復する「ピュリファイ」も覚え、そのあとファイターへ転身。 コツコツとレベル上げをしてスキルポイントを稼ぎ、「ストレングス(常時攻撃力アップ)」を強化する。
「迷いの森」という名前がつけられてはいるが、あまり迷わなかった気が……
主人公の命を助けてくれたエルフのヒロイン、オルフェリア。やさしい娘だ
ある程度、戦う体勢も整い、次は南門からエルフの里へ向かう。 草原を少し行くと木々が目立ち始め、やがて森に入った。その名も「迷いの森」。うっそうとした大樹が生い茂り、不気味な感じだ。
しばらくすると、ムービーが入り怪しい化け物にぶん殴られて気絶! 気がついたらエルフの美女オルフェリアに看病されていた。
ここのエルフたちは妖しい雰囲気を漂わせる。 街の奥の酒場では、1組のカップルがベタつく……。 不意に「Barエルフ」という言葉が浮かんだ(こう書くと場末感たっぷり!?)。この里はウェットで存在感がある。
オルフェリアと一緒に、里に隣接する「幻霧の沼」へ。 カエルやアンデッドがうろつく中、どん詰まりのところでボスが登場。死神に似たモンスターがふわふわと襲ってきた。しかも何体も!
あっという間に囲まれるカシアス。こちらは覚えたエイドで必死に相棒を回復。 ゾンビ戦法ではない、息の合った戦いぶりだ。といっても相変わらずカシアスのサポート役だが。まあ、いいか。
ここでのオルフェリアのエピソードは切ない。 1章は予想以上にシナリオ主導で進み、異種の交流というテーマも根底に流れる。普通のRPGと、育成主体のMMORPGの中間といった感じだろうか。
戦闘も、パッと見アクションに映るが、RPGのコマンド戦闘をリアルタイムに移し替えた、という印象。
回避操作などはなく、ダメージをくらうかどうかは回避率で決まるあたり、やはり本質はRPG。アクションが苦手でも大丈夫だ。
ホビットのヒロイン・アイグルは小さくて可愛らしい。ホビットなので当然だけど
ドワーフ、エルフと来て、異種族の最後を飾るのはホビット。東モール平原をひたすら進む。 だだっ広く、ゆるやかな起伏の草原が、昔リュックひとつで、やけになって行ったアイルランドの牧草地を思い起こさせる。
目の前はホビットの集落。と、すごい勢いで女の子がぶつかってきた!? 転校初日にありがちな出会いが、モンスターうごめく草原で実現した!このホビット少女の名前はアイグル。彼女のあとについてホビットの集落に入る。
丸い家に住み羊を飼う人々の暮らしはモンゴル風。男性ホビットは、顔も格好もアジアンテイスト。 ホビットのこうした味付けは新鮮。集落からはフッと土の匂いがする。
ここには、「亡国の城」という廃墟があり、アイグルはこの場所に秘密を隠していた。だが、それは集落の決まりに反する行為。おりしも事件が起こり……。
で、いろいろあって、亡国の城に潜る。スキルほしさのため腰かけだったはずのファイター業がすっかり板についてきた。 剣を振り回し、危なくなったら魔法で回復する。
これで星のカケラもだいぶそろった。次週は急展開!?
卯月鮎(うづき・あゆ)
ゲームコラムニスト・書評家。週刊誌やゲーム専門誌で活躍中。